味噌田楽 (Misodengaku (skewed and roasted foodstuff with miso coating))
味噌田楽(みそでんがく)とは、豆腐やこんにゃく、ナスやサトイモなどを串に刺し、ユズやサンショウなどで香りをつけた味噌を塗りつけて焼いた料理。
名称の由来
語源はその具を串刺しにした格好が、田楽のひとつである、田んぼに棒を突き立てその上で踊る「高足の舞」に似ている事から名づけられたと言われる。
また、桶狭間の合戦の際、織田方に敗れた今川方が磔(はりつけ)などによって処刑された地が「田楽窪」(でんがくがくぼ)と呼ばれる、かつて古典芸能の田楽が行われていたのではないかと言われる地(現在も愛知県豊明市沓掛町内に大字名として残る)で、その処刑方法が当時当地で食されていた野菜や鮎などの川魚を串に刺して食していたものと似ていたため、それを田楽と呼んだという説もある。
川柳
成り立ちを伺い知ることができる古川柳が、今も残っている。
「田楽は昔は目で見今は食ひ」
種類
愛知県豊橋市の「なめし田楽」は、八丁味噌の豆腐の田楽と菜飯をセットにしたものである。
この「菜飯田楽」は東海道五十三次の吉田宿(豊橋市)の名物料理のひとつであったと言う。
また同じ愛知県の津島市には、尾張地方中南部の名物でもある生麩を揚げて赤味噌を塗った「麩田楽」がある。
備考
現在では事実上の豆腐料理になっている場合が多いが、山間部などでは現在でもサトイモや川魚を主体にした串焼きに近い田楽が供されている地域も多い。
「おでん」は田楽の材料を焼く替りに煮た、「煮込み田楽」に由来する料理である。