團菊爺・菊吉爺 (Dangiku jiji・Kikukichi jiji)

團菊爺(だんぎく じじい)・菊吉爺(きくきち じじい)は、歌舞伎の好劇家間で用いられる俗語・隠語の一種。

明治の市川團十郎 (9代目)・尾上菊五郎 (5代目)、あるいは戦前の尾上菊五郎 (6代目)・中村吉右衛門 (初代)こそが最高の役者であるという信念に基き、彼らに今の役者は遠く及ばないという下降史観によって役者や舞台を批判する老人のことを、それよりも若い世代が揶揄的に、あるいは老人自身が自嘲的に言う言葉。
多くの場合、自分は過去の名優の舞台を実見することができたが、それより若い世代は彼らを見ることができない、というひそかな優越感をもとにして、「彼らの舞台こそがほんとうの歌舞伎である(しかしながら彼らはもはや死に、今となっては「ほんとうの歌舞伎」というものを見ることは不可能である)」といった主張をするために、実際にそれらの名優を見られなかった世代からは一種の嫉妬と羨望を抱かれやすい。

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