奈良茶飯 (Nara Chameshi)
奈良茶飯(ならちゃめし)は、炊き込みご飯の一種で、奈良県の各地の郷土料理。
江戸時代の川崎宿の名物料理だった。
概要
少量のコメに炒ったダイズやアズキ、焼いたクリ、アワなど保存の利く穀物や季節の野菜を加え、塩や醤油で味付けした煎茶やほうじ茶で炊き込んだものである。
シジミの味噌汁が付くこともある。
栄養バランスにも優れ、江戸時代に川崎宿にあった茶屋「万年屋」の名物となった。
元来は奈良の興福寺や東大寺などの僧坊において寺領から納められる、当時としては貴重な茶を用いて食べていたのが始まりとされる。
本来は再煎(二番煎じ以降)の茶で炊いた飯を濃く出した初煎(一番煎じ)に浸したものだった。
それが江戸や川崎に伝えられ、万年屋などで出されるようになったとされている。
さらに十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』に万年屋および奈良茶飯が登場したことで一層有名となり、万年屋は江戸時代後期には大名が昼食に立ち寄るほどの人気を博したと言う。