小唄 (Kouta)
小唄(こうた)には、もともと端唄から派生した俗謡である。
一般には江戸小唄とされる端唄の略称。
略称として定着したのは、明治・大正年間である。
ほかに現代小唄・清元小唄・常磐津小唄・義太夫小唄(豊本節)・新内小唄などがある。
ここでは主に江戸小唄について述べる。
音楽的特徴
端唄は撥を使うのに対して小唄は爪弾きである。
上記の発生経過から節回しに大きな差異はない。
爪弾きとは言え、正式には爪は糸に当ててはならず、爪の横の指の端で弾く。
演唱の場は主に、お座敷(4畳半)が多く、撥を使用すると音色が大き過ぎる為に自然と爪弾きとなった。
三味線は端唄と違い、中棹を使用し、使用する糸も端唄より太く、駒は端唄よりも大きな木製の木駒を用いる。
ぼんやりとした唄い方で、呟く様に軽妙に粋に唄うのが特徴である。
基本は三味線1、唄方1であるが、替手や上調子、下調子が入る唄もある。
演奏時間はおよそ一分半から三分程度。
長くとも五分以内である。
詞の内容は遊里物・遊女物(遊里のお色気を扱ったもの)、慕情物・情痴物(市井のお色気を扱ったもの)、芝居物・役者物(芝居や役者を題材にするもの)、バレ唄(諷刺・洒脱のきいたもの)、田舎唄(民謡系)などがある。
端唄は鳴り物が入るが、小唄は三味線のみでの演唱。
代表的な家元(発生順)
大正六年に堀小多満が小唄界で最初の流派である「堀派」を設立。
その後、多数の流派が誕生した。
現在では約70流派が活動を続けているが、高齢化が進み、後輩の育成に各流派ともに尽力している。
堀派
田村派
小唄派
蓼派
吉村派
春日派
千紫派