小雨坊 (Kosamebo)
小雨坊(こさめぼう)は、日本に伝わる妖怪で、僧の姿をしている。
江戸時代の浮世絵師、鳥山石燕が著した『今昔百鬼拾遺』(右画)によると、「小雨坊ハ 雨そぼふる夜、大みねかつらぎの山中に徘徊して 斉料をこふとなん」とあり、雨の夜に修験道の霊山・大峰山や大和葛城山山中に現れては、行者に物乞いをするとある。
山田野理夫の著書『東北怪談の旅』では、寛文11年に雨の降る津軽地方街道の山中で、小雨坊なる者が旅人に粟をねだったとある。
近年の妖怪関連の文献では石燕の画をもとにしたイラストを挿絵とし、旅人から粟をねだる妖怪として小雨坊が解説されていることがある。
だが、『東北怪談の旅』の小雨坊は青森県の話であり、大峰山や葛城山(近畿地方)の妖怪として石燕の描いた小雨坊とは無関係とされる。