新歌舞伎十八番 (Shin Kabuki Juhachi Ban)
新歌舞伎十八番（しん かぶき じゅうはちばん）は、市川團十郎 (7代目)と市川團十郎 (9代目)が撰した成田屋・市川團十郎のお家芸。
解説
歌舞伎十八番を撰した七代目團十郎は、さらに自分の当たり役を網羅した新歌舞伎十八番を撰じようとしていたが、その志半ばで死去したたため、五男の九代目團十郎が明治20年 (1887) 頃にこれを完成させた。
九代目は、父・七代目が銘打った「新歌舞伎十八番」という名称は維持したが、その演目数は18に収まりきらず、結局「十八番」を数字の「じゅうはちばん」ではなく、むしろ得意芸の「おはこ」の意味に解釈して、32ないし40を撰じた。
その中には九代目自身が提唱していた活歴物も多く含まれており、現代ではほとんど上演されない演目も多い。
新歌舞伎十八番
三十二演目
虎の巻 (歌舞伎)（とらのまき）
蓮生物語（れんしょう ものがたり）
増補桃山譚（じしん かとう）
真田張抜筒（さなだの はりぬき づつ）
腰越状 (歌舞伎)（こしごえじょう）
敷皮問答（しきがわ もんどう）
酒井の太鼓（さかいの たいこ）
吉備大臣（きび だいじん）
重盛諫言（しげもり かんげん）
荏柄問答（えがら もんどう）
釣狐（つりぎつね）
仲光（なかみつ）
北条九代名家功（たかとき）
船弁慶 (歌舞伎)（ふなべんけい）
山伏摂待（やまぶし せったい）
静法楽舞（しずか ほうらくまい）
伊勢三郎 (歌舞伎)（いせの さぶろう）
紅葉狩 (歌舞伎)（もみじがり）
凧の為朝（たこの ためとも）
文覚勧進帳（もんがく かんじんちょう）
左小刀（ひだり こがたな）
高野物狂（こうや ものぐるい）
仲国（なかくに）
素襖落（すおう おとし）
女楠（おんな くすのき）
春興鏡獅子（かがみじし）
新七ツ面（しん ななつめん）
二人袴（ににん ばかま）
向井将監 (歌舞伎)（むかい しょうげん）
吹取妻（ふきとり づま）
天満宮菜種御供（しへいの ななわらい）
大森彦七 (歌舞伎)（おおもり ひこしち）
四十演目
上記32演目に以下の8演目を加えたもの。
雨の鉢の木（あめの はちのき）
片桐別れ（かたぎり わかれ）
大石城受取（おおいし しろうけとり）
義貞太刀流し（よしさだ たちながし）
白髪の実盛（しらがの さねもり）
敷浪（しきなみ）
油坊主（あぶらぼうず）
中山問答（なかやま もんどう）