水炊き (Mizutaki (chicken boiled plain))

水炊き(みずたき)は、主に福岡県で食される郷土料理で、鍋料理の一種。
現在は日本全国で食されるため、地域性が出始めている。

概要

料理法は似ているが、福岡県とその他地域での差異がかなりある料理である。

皮や骨付き鶏肉(主にもも肉)のぶつ切りを用いる。
鶏肉や骨から出る旨味を生かすために、他の調味料を使わずに水から煮立たせるのが本来の調理法のため「水炊き」と呼ばれる。
ただ現在お店によっては、味を安定させるため最初から鶏がらのだし汁を用いたりしている場合がある。
また福岡県以外の地域では、追加の出汁として昆布を鍋底に敷いたものもある。
左記以外煮汁に味を付けることは基本的にはしない。
小皿にポン酢や柚子胡椒等を入れて味を付けて食べるもの(唐辛子のみ、または追加調味料として辛味をつけることはある)である。

普通、鶏肉の他に白菜ないしキャベツ、長葱を入れ、好みでキノコ類、しらたき、春菊などを入れる。
また鶏肉以外に牛肉や豚肉を単独で、あるいは豆腐や海鮮類(牡蠣や鱈)などを一緒に煮炊きする場合も水炊きと呼ぶことがある。
残っただし汁にうどんを入れたり、飯を入れて雑炊にする場合もある。

博多の郷土料理が起源とされることが多いが、鶏の鍋焼きは江戸時代から全国的にあり、明治以降になって鳥鍋として盛んに行われるようになった。

また、長崎に生まれた林田平三郎が1897年、15歳で香港に渡り、英国人の家庭に住み込みで料理の勉強をしていた。
そして帰国後、そこで習得した西洋料理のコンソメと中国風鶏のスープをアレンジし、1905年に博多水炊きを完成させたのが起源であるという説もある。

がめ煮とともに、農山漁村の郷土料理百選に福岡県の郷土料理として選ばれている。

[English Translation]