油徳利 (Abura tokkuri (oil bottle))

油徳利(あぶらとっくり)は、日本の民具の一つで、灯明などに用いる油の購入用または保存用の容器。

名称の通り、酒や醤油などに用いる徳利と同様の形状のものが多い。
火皿や秉燭(油皿)に油を注ぐ際には、この油徳利から油差しに移して用いる。
油が高価であったことから、徳利の口から垂れた油が無駄にならないように、徳利上部に受けを付けておき、垂れた油が再び徳利の中に戻るよう工夫したものもあった。

材質は主に陶磁器である。
だが、寒いと油が固まりやすいことを考慮し、底の部分に炭火を入れることのできる仕掛けを持つ金属性のものもある。

また伝承上には、この油徳利が付喪神(器物の変化した妖怪)となったものがある。
古典の随筆『二川随筆』に記述があり、和泉国岸和田市(現・大阪府岸和田市)の農家にある油徳利が、生活に必要な油を5年間に渡って出し続けたという。

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