焼き魚 (Yakizakana (broiled fish))
焼き魚(やきざかな)は、魚を直火で焼いた料理。
代表的な日本料理であり、日常の惣菜から高級料亭の物まで、その範囲は広い。
また、味付けによって「鯵の塩焼き」「ブリの照焼き」と「食材名+味付け」で具体的に表現することもある。
日本料理における焼き魚の特徴は直火焼きである事で、これは江戸時代以前の日本料理に鉄板で物を焼く技法が無かった事による。
炭火などで焼くと遠赤外線の効果で無駄な油分を取り除き、水分を適度に飛ばし、皮をこんがり、中をふんわりと焼上げることが出来る。
プロは串を打ち、下火で焼く。
上火は水分を飛ばすと言い、嫌われる。
串は魚の形を整える(魚体がうねるように打って「踊り串」などと称する)と共に、伝導熱で中まで火を通す役割がある。
最近は殆ど見られなくなったが昭和の中ごろまでは七輪に金網を乗せて、その上で魚を焼く姿が多くの日本の家庭で見られた。
フライパンで魚を焼いた場合は、「魚のオイル焼き」「魚のソテー」等と言って区別する。
照焼きならば、フライパンで調理する時は「なべ照り」と言う。
この料理のため、日本のガスコンロには、グリル機能が付いていることが多い。
安価な魚(鯵・サバ・秋刀魚等)を用いた焼き魚は、家庭におけるもっとも一般的かつ伝統的な料理である。
海から遠い山間部では川魚(アユ・岩魚等)や流通に適した塩サケ、沿岸漁業が盛んな地域ではメバル・ベラ(キュウセン)等磯魚も用いられる。
その一方、高級魚(鯛・太刀魚等)を使用したり、味噌漬けなど手の込んだ調理をへて高級な料理として供される機会も多い。
また魚は生の物の他、干物もよく用いられる。
焼き魚の調理法
塩焼き
塩を振った魚を焼いた物。
青魚には大根おろしを添える。
細かく分けると、魚を塩漬けの後に表面の塩分を洗い流して改めて塩を振って焼いたものを指し、単に魚の身に塩を振ったたけでそのまま焼いたものは白塩焼きと呼んで区別する。
尾やひれなど、焦げ易い部分には厚めに塩をまぶし(これを「飾り塩」ないし「化粧塩」と言う)焦げを防ぐ。
右のアイナメはその失敗例。
照り焼き
→ 照り焼き
幽庵焼き
→ 幽庵焼き
西京焼き
鰆等、西京味噌に漬込んだ後に焼く。
身質や風味が塩焼きに向かない魚に用いられる。
ウナギ等をタレに浸けながら焼く蒲焼は、焼き魚(照り焼きの一種)と言えるが、一般的には焼き魚と見なされず、別の調理法とされている。