袞衣 (Kone)
袞衣(こんえ、こんい)は、唐風の天皇衣装。
礼服 (宮中)の一種で、天子御礼服ともいう。
孝明天皇までは、即位の儀などに冕冠とともに用いられた。
冕冠と合わせて袞冕(こんべん)ともいう。
袞衣は、袞服、冕服、天子御礼服とも呼ばれる。
日本における袞衣の起源は不明であるが、『続日本紀』に「天平四年(732年)正月乙巳朔、大極殿に御して朝を受く。天皇始めて冕服を服す」とあることから、少なくとも奈良時代まで遡ると考えられている。
大袖
赤地に、袞冕十二章のうち、日、月、七星、山、火、龍、華虫(キジ)、宗彝の8種の模様が付く。
各模様は刺繍のように見えるが、実際は取り外し可能になっている。
日:照臨無私を象徴。
左肩に配され、日の中に烏が描かれている。
月:照臨無私を象徴。
右方に配され、月の中に兎と蟾蜍(ヒキガエル)が描かれている。
七星:照臨無私を象徴。
北斗七星を背上部に配する。
山:鎮定、雲の湧出、雨露の恵みの象徴。
身の前後に配する。
龍:神変不可思議の霊物。
袖部前後に大型の巻龍、身の前後に小龍を配する。
華虫:雉の意、その羽の美麗さから。
身の前後に配する。
宗彝:祭器に描かれた虎(勇)、猿(智)で、祭器の象徴。
身の前後下部に配する。
裳
大袖と同じ赤地に、袞冕十二章のうち、藻、粉米、斧、黻(ふつ、亜字の形)の四種の模様が付く。