裸祭り (Naked festival)

裸祭り(はだかまつり)とは、参加者が裸体で参加する祭である。

概要

裸祭とは五穀豊穣を願う祭として成人男性が裸体で競い合う祭とされている。

農機具などが近代化される前の日本の農耕社会においては、強い働き手となる逞しい男性の存在が農家に最も求められる最重要課題であった。
家督の維持、子孫の繁栄には強く逞しい男性の存在が欠かせなかった。
裸祭を通じて、男性は裸体を村の長老や女性に披露することで、結婚相手となる嫁や自家への入婿を探す男女の出会いの場として、裸祭は村の行事では最重要の位置付けとされていた。
特に、家督を継げない次男、三男にとっては入り婿先に招かれる重要な機会であるだけに、自己の逞しさを演出する唯一の場であった。
また、男手を失った後家にとっても再婚相手を探す場でもあった。

裸祭に神木の取り合い等の闘争が多いのも、闘争能力の高さが男性の強さや生殖能力を象徴し、農家でより強い働き手であることを示すものでもある。
それだけに、伝統的に裸祭の参加は成人男性に限定されていた。

裸祭は禊(水行)の後、お堂の内外で神木、玉、等、その祭の象徴を奪い合う会陽を始めとして休耕となる真冬を中心に開催されるものが多い。
これは冬場の娯楽の少ない農耕社会で鬱積した気分を解消させることを目的としていた。
男性の闘争本能を呼び起こさせることで、地域社会の若者層の暴走を抑えることであった。
厳しい冬の寒さの中を裸で立ち向かわせることで、逞しい男らしさを演出させることであった。

また、真夏に、漁師を主体とした神輿を担ぐ祭、春から秋に掛けて神輿や山車を担いだり曳いたりする祭りもある。
なお、神社によっては岡山県の鏡野町(旧上齋原村)の上齋原村神社などは裸祭を廃止し、女相撲に変えたところもある。

[English Translation]