越天楽 (Etenraku (Ancient Japanese court dance and music))
『越天楽』(えてんらく)とは雅楽の曲である。
雅楽の曲のなかで最も有名な曲である。
楽器は主に8種類。
管楽器、弦楽器、打楽器に分かれている。
「越殿楽」とも記述される。
中国漢時代の皇帝文帝 (漢)の作品と伝えられている。
越天楽に歌詞をつけたのが『今様』であり中で最も有名なのが『黒田節』で、日本では結婚式などで演奏されることが多い。
『浦安の舞』と並んで巫女が奉納する場合が多い『豊栄の舞』も、現代版越天楽今様と言って良い。
近衛秀麿による管弦楽編曲版(1931年)も有名で、レオポルド・ストコフスキーによっても度々取り上げられた。
松平頼則作曲の『盤渉調越天楽の主題によるピアノと管弦楽のための主題と変奏』(1951年)は平調とは異なる盤渉調の越天楽のメロディを採用しつつ十二音技法やブギウギとの融合も試みられている。
ヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮とイヴォンヌ・ロリオの独奏で演奏されるなど世界的に評価されている。
伊福部昭にも『交響舞楽「越天楽」』と題したオーケストラによるバレエ音楽があるが、これは創作的意図で書かれた独自の作品である。