雑炊 (Zosui (porridge of rice and vegetables))
雑炊(ぞうすい)は、米飯に肉、魚介類、キノコや野菜を加えて、醤油や味噌などの調味料とともに再度炊く。
また、鍋物の残り汁に米飯を加えて煮る。
古くは「増水」と表記され、米飯の量を水で増やすという意味合いが強かったと思われる。
この増水に他の具材を加えるようになってから「雑炊」の文字があてられるようになったようである。
「おじや」との違い
おじやは、もともとは雑炊のことをいう女房言葉であったが、今日では、雑炊とおじやとが別種のものとして認識されることもある。
ただし、その区別は広く共通のものとはいい難い(以下は一例である)。
米の状態による区別
調理にあたり、米飯をいったん水で洗い、表面の粘りをとってから用いることで、さらっと仕上げたものが雑炊。
そうでないのがおじや。
汁とともに温めるだけ、または水分が飛ぶほどには煮込まず、米飯の粒の形を残すものが雑炊。
煮込んで水分を飛ばし、米飯の粒の形をさほど残さないのがおじや。
味付けによる区別
味噌で味付けしたものをおじやという。
さまざまな雑炊
まる雑炊
-主にまる鍋の後に残る出汁に飯を入れ、炊いたもの。
ふぐ雑炊
-主にふぐちりの後に残る出汁に飯を入れ、炊いたもの。
とり雑炊
-主に水炊きの後に残る出汁に飯を入れ、炊いたもの。
かに雑炊
-主にかに鍋の後に残る出汁に飯を入れ、炊いたもの。
すきやき雑炊
-主にすきやきの後に残る出汁に飯を入れ、炊いたもの。
しゃぶしゃぶ雑炊
-主にしゃぶしゃぶの後に残る出汁に飯を入れ、炊いたもの。
他に、おでん汁、野菜スープや、ラーメンスープも利用できる
その他
沖縄料理のジューシーは雑炊の転訛であるとされる。
ただし通常の炊き込みご飯も、水分の多い雑炊も共にジューシーと呼称される。
おじやの語源は諸説あるが、南蛮料理研究家やスペイン料理研究家やポルトガル料理研究家によれば、スペイン料理のオジャOLLAが語源だとされる。
16世紀末期から17世紀初頭の南蛮貿易及びキリスト教布教活動の際、関西以西にイエズス会の修道士によって、また江戸にフランシスコ会の修道士によって伝わったとされる。
(いずれもアンダルシア、セビリア出身の宣教師の可能性が高いとされている)
テンプラなど、後に漢字が充てられたものもあるが、オジャは、カステラやコンペイ糖等のように、漢字が充てられず発音のままに名前が残った為、日本の伝統料理と思われているが、漢字が存在しない。
スペインでは「オジャ デ 〜」の他、「〜 カルドソ」「アロス 〜」「アロス アンブ 〜」という名称で同様のお米入りスープ仕立ての料理がある。
なお、オジャOLLAは、スペイン語圏の他、ポルトガル、チュニジアにも同様、同名の料理(法)があり、伝統的な鍋料理、または鍋そのものを意味し、現代では圧力釜(料理)もさす場合がある。
なお「じやじや」という音から派生したという説もあるが、最近は支持されていない。