掌典職 (Shoten-shoku (Ceremonial staff))

掌典職(しょうてんしょく)は、日本の皇室において宮中祭祀を担当する部門である。
宮中三殿においてその職務を行う。

戦前、国家機関であった当時は、宮内省の外局として国家機関の位置付けであった。

宮内省式部職掌典部

「宮内省官制」(明治40年皇室令第3号)制定当時は、「典式」として宮内庁式部職の所掌とされた。
式部職に掌典部が置かれ、掌典長、掌典次長、掌典、内掌典及び掌典補を置くことが定められた。

それぞれの職務権限を述べると、

「掌典長」は親任官又は勅任官とされ、皇室祭祀に奉仕し、掌典部・掌典職の事務を掌理し、所部職員を監督する。

「掌典次長」は勅任官とされ、掌典長をたすけ、掌典長に事故があるときはその職務を代理する。

「掌典」は12人を定員とされ、奏任官(名誉職とすることもできた。)とし、祭事を分掌する。

「内掌典」及び「掌典補」は判任官とし、「内掌典」のうち1人は奏任官とできた。
ともに祭事に従事する。

なお、「内掌典」は女性が就任する官職である。

宮内省掌典職

「掌典職官制」(昭和14年皇室令第4号)により、宮内省に掌典職が置かれ、掌典職には、掌典長、掌典次長、掌典、内掌典、掌典補、事務官及び属を置くことが定められた。

掌典長、掌典次長、掌典、内掌典及び掌典補は、宮内省式部職掌典部時代と同様の職掌である。

「事務官」は奏任官として掌典職の庶務を掌り、「属」は判任官として掌典職の庶務に従事していた。

内廷機関としての掌典職

1947年(昭和22年)5月3日の日本国憲法施行に伴う同省の廃止(宮内府への移行)により、掌典職も国家機関としては廃止された。

その後も皇室費の内廷費をもって人件費に充てられる職員が置かれる。
現在は、天皇の私的使用人としての性格を有する『内廷の職員』とされ宮内庁職員(国家公務員)ではない。

責任者の掌典長をはじめ掌典次長、掌典、内掌典、掌典補等、宮内省掌典職時代と同職名の職員が置かれている。

1975年以後伊勢神宮や勅祭社における祭典では、天皇の使者である「勅使」をつとめる。

[English Translation]