かやぶきの里・北村 (Kayabuki no sato Kitamura)
かやぶきの里・北村は、京都府南丹市美山町北(旧北桑田郡美山町 (京都府))にある集落のこと。
今では珍しくなった茅葺屋根の家屋がここには数多く残っている。
集落の歴史
このあたりは地理的には丹波国に属し、荘園制度があった頃から、このあたりに人が住み着いて山稼ぎをして生計を立てていたという。
この集落の中を貫く街道は、いわゆる鯖街道の一つとされ、京都と若狭国の中間地であり、多くの旅人が行き来していた。
そういった背景から、この集落の建築や生活様式はいろいろな地方の影響を受けたといわれる。
1993年(平成5年)、この集落全体が、文化庁の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。
地区では「かやぶきの里保存会」を組織し、歴史的景観の保全と住民の生活を両立すべく、さまざまな検討を重ねた。
その結果、住民が出資し、「有限会社かやぶきの里」を設立し、建造物の維持管理および観光施設としての運営を組織的におこなうようになった。
集落の建築物
現存している茅葺き屋根の家屋の多くが江戸時代中頃から末期にかけて建てられたものであり、昔話に出てくる民家を思わせる屋根形状が特徴である「北山型民家」に分類される。
この村は50戸ほどの集落であるが、うち38戸が茅葺き屋根である。
交流館、民俗資料館、民宿などもそのなかに含まれる。
集落の外れに食堂と土産物屋があるが、それらは(有)かやぶきの里が運営している。
その建屋も茅葺き屋根である。
観光施設等
かやの里(土産物屋。
「(有)かやぶきの里」「北村きび工房」も入居している。)
お食事処「きたむら」
民俗資料館
知井八幡宮
その他、個人経営の民宿もある。
維持管理
茅葺き屋根の維持のためには数十年毎に葺き替えをする必要がある。
一時、茅葺き職人の後継者がいなくなりそうだったが、近年、住民の中から職人が誕生した。
茅葺き屋根の住居は火に弱い建物である。
近年でも火事で焼失しており、火災対策は重要事項となっている。
住居の母屋毎に「放水銃」が配備されている。
普段は小屋の形をした収納箱の中に収納されているが、使用時は(おそらく遠隔操作により)液圧シリンダーにより小屋の屋根が開き、放水銃が迫り出すようになっている。
交通アクセス・位置情報
京都府道38号京都広河原美山線
位置: