宇治郡 (Uji gun (Uji District))

宇治郡(うじぐん)は、山城国・京都府に存在した郡。
郡域は現在の京都市南東部と宇治市東部に相当する。
京都市の南東部では、伏見区と山科区の一部が含まれる。

秀吉の桜で有名な醍醐寺、浄土真宗の開祖である親鸞が誕生したとされる日野の里、の墓等がある。
また、京都府宇治市の東部とは琵琶湖より流れ出る宇治川の右岸地域のこと。
このあたりには、禅宗の一派である黄檗宗の大本山、黄檗山萬福寺等がある。
万福寺は中国風の建築で有名な寺院。
開祖は、インゲンマメや茶を日本に持ち込んだとされる隠元隆き。

沿革
1879年(明治12年)4月10日 - 郡区町村編制法に基づき宇治郡宇治郷に宇治・久世郡両郡合同の郡役所を設置。
(郡制下では久世郡宇治町に置かれる)

1889年(明治22年)4月1日 - 町村制が施行され、宇治郡に宇治村・笠取村・醍醐村・山科村の4村が成立する。
(4村)

1926年(大正15年)10月16日 - 山科村が町制施行。
(1町3村)

1931年(昭和6年)4月1日 - 山科町が京都市東山区に編入し、醍醐村が伏見市、紀伊郡深草町・上鳥羽村・吉祥院村・下鳥羽村・横大路村・納所村・堀内村・向島村・竹田村とともに京都市に編入し、伏見区が発足。
(2村)

1942年(昭和17年)4月1日 - 笠取村・宇治村が合併し、東宇治町が発足。
(1町)

1942年(昭和17年)7月1日 - 久世郡宇治町に宇治郡・久世郡を管轄する宇治地方事務所を設置。

1951年(昭和26年)3月1日 - 東宇治町が久世郡宇治町・槙島村・小倉村・大久保村と合併し、宇治市が発足、郡より離脱したため消滅。

郡内の郷

和名類聚抄に見える郡内の8郷。
括弧内は訓読み。

大国郷
賀美郷
岡屋郷 (乎加乃也)
餘戸郷
小野郷 (乎乃)
山科郷 (也末之奈)
小栗郷 (乎久留須)
宇治郷

式内社
延喜式神名帳には、山城国宇治郡に以下の大社5座・小社10座の計15座が記載されている。

宇治神社二座(宇治市宇治山田)鍬靫
宇治上神社(宇治市宇治山田)
日向神社(現 日向大神宮(京都市山科区日ノ岡夷谷町))
許波多神社三座(論社2社。
宇治市五ヶ庄古川、宇治市木幡東中)名神大社、月次新甞

天穂日命神社(京都市山科区石田町)
宇治彼方神社(現 彼方神社(宇治市宇治東内))鍬靫
山科神社二座(論社2社)名神大社、月次新甞
山科神社(京都市山科区西野山岩ヶ谷町)
岩屋神社 (京都市)(京都市山科区大宅中小路町)

[English Translation]