沓島 (Kutsu-jima Island)
沓島(くつじま)とは、京都府舞鶴市の沖合いの若狭湾に浮かぶ島。
冠島とともに京都府指定冠島沓島鳥獣保護区(集団繁殖地)に指定されており(面積は両島で471ヘクタール、うち特別保護地区44ha)、無人島で海鳥の繁殖保護のため原則として上陸が禁止されている。
位置
若狭湾に浮かぶ冠島から、北東約2.5㎞に位置している。
住所は京都府舞鶴市。
地勢
面積約9,700㎡。
中新世の安山岩類から成っており、まさに自然の宝庫である。
北端には釣鐘岩と呼ばれる標高89mの岩礁がある。
島は四方が断崖絶壁で切り立った急崖である。
海底地形は、冠島と沓島両島の東側は比高60m以上の急崖を形成しており、南北走向の断層が推定される。
それ以外の島周辺の海底は水深100m程度の平坦な大陸棚地形を形成している。
大宝元(701)年、地震によって大きな島が水没し、その頂部のみが残って冠島と沓島になったという記述が丹後国風土記にある。
しかし、この地震は記事の内容から推定されるほど大規模なものではなかったとされている。
生態
沓島は、ウミネコやヒメクロウミツバメの繁殖地として有名で、また、カンムリウミスズメなど多種の海鳥が集団繁殖している。
このため、舞鶴市の天然記念物に指定されている。
大本教関連の伝説
明治34年5月、大本の開祖・出口なおが当地に渡島し、大本教で聖地としている場所から持ち込んだ神水(金明水)と、元伊勢の水を釣鐘岩の絶頂から眼下の海に散布したらしい。
明治38年5月に、当地にこもり(「沓島ごもり」と言われている)、世界の平和を祈願。
大本教内部では、この祈願によって日露戦争日本海海戦に勝利できたと伝えている。