秋篠 (Akishino)
秋篠(あきしの)は、奈良県奈良市にある地名で、現在の住居表示では秋篠町。
かつては大和国添下郡に属しており、平城京の北西端にあった西大寺 (奈良市)の北側に広がる地域にあたる。
現在の皇室の秋篠宮の宮号の由来の土地でもある。
古くから土師氏ゆかりの土地であったと言われており、延暦元年(782年)に土師安人の姓が宿禰から朝臣に改められた際に「居住地にちなんで」秋篠安人と改名している。
この少し前(具体的年代には諸説あり)に秋篠寺が秋篠の南側に建立された。
承平 (日本)元年(931年)には神願寺(神護寺の旧称)名義の荘園・秋篠荘の存在が確認できる。
後に保元3年(1158年)には所有権が石清水八幡宮の別当寺である護国寺に移っていることが確認できる。
また、和歌の歌枕としても著名であり、西行の『新古今和歌集』に採録された「秋篠や 外山の里や 時雨らむ 生駒の岳に 雲のかかれる」の歌や慈円の『拾玉集』に採録された「旅の空 秋ぞ悲しき 秋篠の 鹿と虫とに 枕並べて」の歌などが代表作として知られている。