尋 (Hiro (a unit of length defined by old Japanese system of weights and measures))

尋(ひろ)は、尺貫法の長さの単位である。

元々は、大人が両手を一杯に広げた長さとして定義された身体尺である。
「ひろ」という名称は「ひろげる」と同根である。
「尋」という漢字も「左」「右」「寸」を合成したものである。
紐などの長さを測るときに、紐を両手で持ち、両手を一杯に広げるということを繰り返すことで、尋による長さを簡単に求めることができる。
釣糸を底までたらしてそのときの釣糸の長さを測れば、水深を計測することができる。

明治時代に1尋=6尺と定められた。
1尺=(10/33)メートルとされたので1尋は約1.818メートルということになる。
しかし、元々が人の体を元にしたものであるので人によってその長さは異なる。
1尋を5尺(約1.515メートル)とすることもある。

他の尺貫法の単位とともに、現在は商取引等に使用することが計量法で禁止されているが、釣り用語や古典祭事においては今でも使われている。

英語圏では、同じ定義によるファゾムという単位があり、やはり水深を測るのに用いられている。
こちらも、現在はフィートに基づいて1ファゾム=6フィート(1.8288 m)と定められている。

中国では、尋(じん)とその2倍の「常」(じょう)という単位がよく用いられていた。
この2つを組み合わせてできたのが「尋常」という言葉で、並み、普通であることを意味する。

[English Translation]