師範学校令 (Normal school order)
師範学校令(しはんがっこうれい)とは、1886年(明治19年)4月10日に公布された勅令である。
明治19年勅令第13号。
教員を養成する学校に関して定めている。
師範学校は師範学校尋常師範学校(師範学校)と師範学校高等師範学校・女子高等師範学校の2つに分けられ(第2条)、それまであった、初等師範学校、中等師範学校、高等師範学校は、尋常師範学校、東京師範学校と東京女子師範学校は、高等師範学校とされる。
設置は、高等師範学校を東京に1か所、尋常師範学校を各府県に各1か所とした(第3条)。
経費は、高等師範学校は国庫、尋常師範学校は地方税から支払われるとした(第4条)。
生徒の学資は、その学校が支給することになっていた(第9条)。
そのため、進学を希望している者の中で、学資が支給されない学校に入学しても、支払いが見込めない(いわゆる、経済的に恵まれない)者は、他の学校より、師範学校に入学することが多かった。
夏目漱石『坊っちゃん』では、旧制中学校たちと師範学校生たちとの喧嘩のシーンがある。
そこで「〔略〕(中学生たちの)前の方にいる連中は、しきりに何だ地方税の癖に、引き込めと、怒鳴ってる」といった記述が見られる。
1897年(明治30年)の師範教育令により、師範学校令は効力を失った。