日本外史 (Nihon Gaishi (historical book on Japan))
日本外史(にほんがいし)とは、江戸時代、頼山陽が著作した日本の歴史書。
文政10年(1827年)に山陽と親しかった松平定信(元老中)に進呈、2年後に発行された。
全二十二巻、漢文体で書かれている。
現在では書き下し体(文語体)に直された岩波文庫上中下巻が刊行している。
また「巻十四の織田氏」までの数篇が現代語訳で、「頼山陽 日本の名著20」中央公論新社で出されている。
平安時代末期の清和源氏・桓武平氏の争いから始まり、北条氏・楠木氏・新田氏・足利氏・毛利氏・後北条氏・武田氏・上杉氏・織田氏・豊臣氏・徳川氏までの諸氏の歴史を、武家の興亡を中心に家系ごとに分割されて(列伝体)書かれている。
簡明な叙述であり、情熱的な文章であった為に広く愛読されたが、参考史料として軍記物語なども用いているため、歴史的事実に忠実であるとは言いがたい記事も散見する。
言い換えれば、史伝小説の源流の一つと言い得る。
幕末の尊皇攘夷運動や勤王に大きな影響を与えた。