石刃技法 (Blade Technique (Sekijin-giho))
石刃技法(せきじんぎほう)とは、後期旧石器時代に出現し、同時代を特徴づける縦長剥片の剥離技術のこと。
これにより、同じ規格の石器の剥片の量産が可能となった。
日本においては約3万年前から約1万5,000年前頃にかけてナイフ形石器と歩調を合わせて発達した技法である。
また、東北アジアの後期旧石器時代の開始を告げる技術的指標である。
この石刃技法は、ユーラシア大陸西部からアルタイ、シベリア経由で東方アジアに広がった革新的技術の一つとみられている。
石刃技法は、人類の進化ホモ・サピエンスの拡散を考える上で重要な要素と考えられている。
技法の概略
まず、原石(母岩石材)を輪切り状に大きく荒割りして打面を準備し、石核の素材をつくり出したのちに調整加工を加えて石核を作り、これを連続的に同一方向から加撃してほぼ同じ大きさの縦長剥片を打ちはがしていく。
この剥片を刃器(石刃)とよび、二次加工を加えて多様な形態の石器を製作していく。
二次加工としては刃潰し剥離がなされナイフ形石器を製作することが多かった。