私擬憲法 (Shigi Kenpo (Draft Constitutions of Japan))

私擬憲法(しぎけんぽう)とは、明治時代の大日本帝国憲法発布以前に、民間で検討された憲法の私案のこと。

現在60以上の存在が知られている。
もっとも古い私擬憲法は、青木周蔵の起草による大日本政規(1872年)とされる。
国会開設運動の高まりに伴い、憲法の必要性が認識されるようになり、1880年11月の国会期成同盟第2回大会で、翌年に憲法草案を持参することを決議したため、翌1881年に多数の私擬憲法がつくられた。
内容は案によって様々で、抵抗権や革命権(東洋大日本国国憲按)を容認したもの、人民主権、議院内閣制を主張するもの、国民投票で皇帝を廃立する権利を規定したものもあった。

1887年12月26日に制定、発布され、即日施行された保安条例によって、私擬憲法の検討及び作成は禁じられた。
これにより、私擬憲法が政府に持ち寄られて議論されることはなく、大日本帝国憲法に直接反映されることはなかった。

主要な私擬憲法
1880年以前
大日本政規(青木周蔵)
大日本国憲法大略見込書(筑前共愛会)
国憲大綱(元田永孚)

1881年以降
国憲意見(福地源一郎)
私擬憲法案(交詢社)
日本憲法見込案(内藤魯一)
東洋大日本国国憲按(植木枝盛)
日本憲法見込案(立志社 (政治団体))
五日市憲法[日本帝国憲法](千葉卓三郎)
憲法草稿評林(小田為綱)
岩倉具視憲法綱領(井上毅)
国憲汎論(小野梓)
憲法草案(西周 (啓蒙家))
私草大日本帝国憲法案(田村寛一郎)

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