公事根源 (Kuji Kongen)
公事根源(くじこんげん)は、室町時代に一条兼良によって書かれた有職故実書。
全1巻。
『公事根源抄』ともいう。
概要
奥書によると、応永29年(1422年)に兼良が自分の子弟の教育のために書いたものとあり、また別に室町幕府征夷大将軍足利義量の求めに応じて、19才の兼良が何の書物も見ずに書いて進ったともある。
後醍醐天皇の『建武年中行事』や祖父二条良基の『年中行事歌合』などを参考にして元旦の四方拝から大晦日の追儺までの宮中行事100余を月の順序で記し、起源・由来・内容・特色などを記した。
後世に重んじられ、『公事根源集釈』(松下見林)・『公事根源愚考』(速水房常)・『公事根源新釈』(関根正直)等の注釈書が書かれている。