具志頭制縛致死事件 (Gushikami restraint/murder case)
具志頭制縛致死事件(ぐしちゃんせいばくちしじけん)とは、1907年(明治40年)5月18日に沖縄県島尻郡具志頭村間切(現八重瀬町)で発生した私刑殺人事件。
事件の概要
1907年5月18日、具志頭間切の某村落で盗難事件が発生した。
犯人を見つけるべく、村の掟である内法 (沖縄)に基づく取調が開始された。
その方法とは、一本の紐を地面の上に置き、1人ずつその紐の上を歩いて前進し、酒を飲んで元に戻るというもので、その間に石を投げられた者が犯人とする非科学的・迷信的手法であった。
そんな杜撰な方法で、ある男性(50歳)が犯人とされた。
男性は木に縛り付けられ村人からリンチを受けたが、当然の事ながら盗まれた金銭の在りどころは分かるはずもない。
執拗な拷問の結果、ついに男性は惨殺された。
男性の惨殺後、村人たちは沖縄県警察部に「内法に基づく取り調べの結果、犯人が絶命した」と平然と届け出た。
警察はもちろん、このようなリンチ殺人を黙認するはずもなく、逆に惨殺に加担した村人を殺人の容疑で逮捕した。
裁判の結果、首謀者に懲役12年、他の3人に懲役9年の判決が下った。