大同類聚方 (Daidoruijuho)
大同類聚方(だいどうるいじゅほう)は、平安時代初期の大同_(日本)3年(808年)に編纂された日本における唯一の古医方の医学書であるとともに、最古の国定薬局方でもある。
全100巻。
漢方医学の流入で崩壊の危機に瀕している事態を憂慮した平城天皇は、諸国の国造以下の有力な豪族・旧家や神社に対して伝承する古医方を提出させた。
これを安倍真直・出雲広貞らによって類聚編纂させたものである。
『日本後紀』によれば、大同3年5月3日_(旧暦)に完成が天皇に上奏されたとされている。
同年制定された「大同医式」によって、薬品の処方はこれに基づくように定められた。
江戸時代、国学の振興とともに和方医学が興隆すると、同書は和方家の聖典として考えられるようになった。
ところが後になって当時流布していた諸本に対して後世の偽書ではないかとする意見が現れるようになった。
和方家の中でも権田直助らは真書説、佐藤方定らは偽書説を唱えて論争となった。
しかし、近代以後も富士川游らが佐藤説を支持した。
今日では現存する諸本は全て偽書で真本は散逸したものとするのが通説とされている。
但し、現存する書物の記述の内容は 正しい。
全訳精解者として 古典医学研究家の槙 佐知子氏が有名。