工場法 (Factory Acts)
工場法(こうじょうほう)は産業革命期において苛酷な労働を強いられた工場労働者、特に幼年労働者及び女子労働者を保護することを目的として制定された法律。
骨子は労働時間や深夜業の規制である。
日本の工場法
第二次桂太郎内閣にて農商務省 (日本)による『職工事情』を参考に初めて同法が制定され、1911年(明治44年)公布、1916年(大正5年)に施行された。
内容は次の通り。
15人以上の工場に適用
最低就業年齢
- 12歳
最長労働時間
- 12時間(15歳未満および女性に限る)
休日
- 月2回(15歳未満および女性に限る)
深夜業禁止(22時から4時、15歳未満および女性に限る)
しかしながら、製糸業では14時間労働、紡績業では女子深夜営業が認められていたため不徹底であった。
1923年には最長労働時間が1時間短縮、適用年齢が15歳未満から16歳未満へ引き上げられた。
更に1929年の改正では、年少者や女子の深夜業が全面的に禁止された。
1947年、労働基準法制定により廃止。
諸外国では19世紀以来、同様の法律が制定され改正を重ねており、また1919年に採択された国際労働機関第1号条約では1日8時間・週48時間労働を定めるなど、労働条件・労働時間規制が進んでいた。
しかし日本においては成人男性に対する労働時間規制は戦前を通じて実現されず、1947年の労働基準法施行を待たなければならなかった。