年料雑器 (Nenryo Zakki)
年料雑器(ねんりょうざっき)とは、律令制において尾張国・長門国両国より中央に貢納させた陶器。
特に緑釉陶器を指す場合がある。
古代の日本では、釉薬は高度な技術であり、国家の管理下にあったと考えられている。
特に中国大陸の影響を受けて緑釉陶器が平安貴族たちの間で愛されており、畿内に設置された官工房では生産が追いつかなかった。
そのため、当時日本国内を代表する陶器の産地であった両国にはその貢納が求められた。
従って、年料雑器として集められた陶器も国府直属の工房で製作された。
そのための原料調達などの必要経費は正税から捻出された。
延喜式には、大椀(径9.5寸)・中椀(径7寸)・小椀(径6寸)・花盤(径5.5寸)・花形塩杯(径3寸)などの規格が定められていた。