徒士 (Kachi)
徒士(かち)は、徒歩で戦う下級武士のことをいう。
近代軍制でいうと、馬上の資格がある侍(馬廻以上)が士官に相当し、徒士は下士官に相当する。
徒士は士分に含まれ、士分格を持たない足軽とは峻別される。
戦場では主君の前駆をなし、平時は城内の護衛(徒士組)や中間管理職的な行政職(目付、勘定奉行の配下など)に従事した。
江戸幕府における徒歩組(かちぐみ)は、徳川家康が慶長8年(1603年)に9組をもって成立した。
以後、人員・組数を増やした。
幕府安定期には20組が徒歩頭の下にあり、各組毎に2人の組頭が、その下に各組28人の徒歩衆がいた。
徒歩衆は、蔵米の御家人で、俸禄は70俵5人扶持。
礼服は熨斗目・白帷子、平服は黒縮緬の羽織・無紋の袴。
家格は当初御家人(かかえぜき)だったが、文久2年(1862年)に譜代となった。