町人 (Chonin (Townspeople))
町人(ちょうにん、まちにん)とは、江戸時代に都市に居住していた職人、商人のこと。
江戸時代前期に、身分制度(士農工商)が成立し、末端の工商の部分にあてられた。
このことにより職業的に農業との分離が促進され、より専門性が高まった。
身分的には下層社会であったが、優れた技術力と豊富な資金量は武士を圧倒する面もみせ、独自の都市文化(町人文化)の形成発展に寄与した。
しかしながら、単なる商工身分の者全般を町人と呼ぶわけではなく、特にブルジョワ階級である旦那衆のことを指し、家屋敷を所有する者のことを言う。
また町政や公事にも参加し、町年寄を選ぶ選挙権や被選挙権を持つなど、社会的身分や公的権利・義務を持つ者である。
また町人としての社会的役割のひとつに賃貸しの長屋を持ちわずかな店賃で店子に貸す慣習があった。
そして大家を雇い店子からの家賃の取立てや諸事の面倒など長屋の管理運営を任せ、その対価として店賃の免除などの優遇をした。
ちなみに落語などに出てくる八公・熊公などは借家人であるため厳密に言えば町人にはあたらない。