畝 (Se (畝; a unit of land area) or Une (畝; ridges in a field))


(せ、ほ)

-- 土地の面積の単位。

(うね)

-- 畑で、作物を作るために(何本も間隔を空けて)細長く直線状に土を盛り上げた所のこと。
英語ではenhillingまたはhillと呼ぶ。
また道路や水面波が畝る(曲がる)などと動詞ともなる。

単位としての畝

畝(せ、ほ)は、尺貫法における土地の面積の単位である。
日本のものは「せ」、中国のものは「ほ」と読み、同じ字を使うがその値や成り立ちが異なり、全く別のものである。
どちらも畑の畝(うね)に由来するものと考えられる。

日本の畝

日本の畝(せ)は単純に坪(坪)の倍量単位となっており、30歩のことを指す。
10畝を1反(段)とする。
明治時代に1尺=(10/33)メートルと定められたので、1歩=約3.305785平方メートルとなり、1畝=約99.174平方メートルとなる。
この値は1アール=100平方メートルに非常に近く、畝からメートル法のアールへの移行はスムーズに行われた。

中国の畝

中国の畝(ほ、ムー)は、古くは10歩 (尺貫法)四方(この歩は長さの単位で6尺のこと)の面積すなわち100平方歩(3600平方尺)のことを指した。
後に5尺四方の120倍とされた。
尺の長さ自体が時代によって異なるので畝の面積も異なるが、おおむね6アール程度であった。

現在の市制 (単位系)においては、1/15ヘクタール(約6.67アール)を1畝としている。
また、ヤード・ポンド法のエーカーにも畝の字を宛てており、区別のため、前者を市畝(市亩)、後者を英畝(英亩)という。

畑の畝
畑の畝、畦(どちらも、うね)は、作物を生育させるために土を盛り上げた所。
畝はしばしば苗や作物を風からの障害を防ぐ目的がある。

畝はスコップや鍬、また機械の耕耘機やトラクターを用いて立てる。

通常、作物を作り終え次の作物を生育するとき、畝を立て直す。
これを畝換えと言う。

作物や土の状態によって、畝が必要でなかったり、畝の形状を変更したりする。

冬以外の気候ならば南北方向に立てられる。
温度も十分で土を温める必要もないからである。
しかし、冬の天候では土が十分温まらないこともあり、光が当たる面積を増やす目的で畝が東西に立てられる。

よく畝を立てるとされる状況は、以下のような場合である。
土の水はけが悪い場合
作物が塊根、塊茎である場合(ジャガイモなど)
強力な茎をもつ作物を生育する場合(リーキなど)
その他の場合(チコリーなど)

例として、畝をよく用いられる作物にジャガイモがある。

ジャガイモの塊茎は地面の下に成長するが、これが光を受けた場合クロロフィルとソラニンを生成する。
ソラニンは非常に有害で、吐き気や頭痛、重篤な場合だと死に至る。
したがって、ジャガイモの成長期は畝を立て(土をかぶせ)、廃棄することがないようにしている。

畝の形状
畝の形状は、山型と台型がある。

山型は断面を見ると山のように盛り上げて形成する。
山の頂上は平たくする。
台型のように平たくないため、根菜類などの作物などの山型にすることで掘り起こすことが容易になるものに適用される。

作物が生育するに従って土が崩れ落ちてくるため畝を直さなければならない場合がある。

一方、台型は全体を台に盛り上げて畝を形成する。
山型のように側がないため、根菜類は掘り起こさなければならない。

[English Translation]