金毘羅 (Konpira)
金毘羅(こんぴら)は、水神で、天竺霊鷲山の鬼神で、薬師如来十二神将の筆頭である。
金比羅・禁毘羅とも書く。
宮毘羅(くびら)ともいう。
十二神将としては宮比羅大将、金毘羅童子ともいう。
神道では金毘羅大権現ともいう。
梵語ではクンビーラ。
金刀比羅宮を総本社とする日本全国の金比羅神社で祀られる。
経緯
ヒンドゥー教のガンジス川の神クンビーラが仏教に取り入れられ宮比羅大将となり、神仏習合によって、弥勒菩薩(他に十一面観音など諸説あり)の垂迹神として金毘羅大権現が成立した。
なお、クンビーラは同じくヒンドゥー教の神で毘沙門天の前身であるクベーラと名前が似るためよく混同されるが両者は全くの別物である。
クンビーラは元来、ガンジス川に棲むワニを神格化した水神で、日本では蛇型とされる。
クビーラはガンジス川を司る女神ガンガーのヴァーハナ(乗り物)でもあることから、日本では海上交通の守り神として信仰されてきた。
特に舟乗りから信仰され、一般に、大きな港を見下ろす山の上に祀られている。
神道での金毘羅
神道側の解釈として金毘羅大権現は大物主とも牛頭天王(スサノオ)とも、また崇徳天皇ともされた。
崇徳天皇を金毘羅大権現とするのは年代的に明らかに矛盾するのであるが、そういう信仰があったのである。
しかし、明治になって大物主神に定められた。
金刀比羅宮
香川県琴平町の金刀比羅宮が全国に約600社あるの金比羅神社(こんぴらさん)の総本宮となっており、江戸時代後期には、金刀比羅宮に詣でる金毘羅参りが盛んになった。
縁日は毎月10日である。