帚木 (Hahakigi (broom tree))
帚木は、
ホウキギ(箒木)
- アカザ科の植物。
茎は干して箒にし、実はとんぶりと呼んで食用とする。
別名ホウキグサ、コキア。
帚木(ははきぎ)
- 信濃国園原伏屋にあるヒノキの木。
後述。
帚木 (源氏物語)(ははきぎ)
- 『源氏物語』五十四帖の巻の一つ。
第2帖。
貴人たちの女性談義「雨夜の品定め」があることで知られる。
帚木(ははきぎ)は信濃国園原伏屋にある木。
遠くから見れば箒を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなるという伝説の木。
『古今和歌集』の坂上是則の歌「園原や伏屋に生ふる帚木のありとてゆけど逢はぬ君かな」で広く知られることになった。
そこから、近づいても逢ってくれない人、逢えそうで逢えない人の喩えに用いられ、『源氏物語』では第二帖の巻名にもなった(この場合の逢えない相手は空蝉。「帚木(源氏物語)」参照)。
また、ははきぎの「はは」が「母」に通うことから、まだ見ぬ母の喩えにも使われた。
帚木の名を伝える檜の木は現存し、長野県阿智村園原の月見堂(伝教大師=最澄が立てた広拯院の跡地と考えられている)の裏手に根元の幹のみが残っている。