浜松中納言物語 (Hamamatsu Chunagon Monogatari (The Tale of Hamamatsu Chunagon))
浜松中納言物語(はままつちゅうなごんものがたり)は、『更級日記』を書いた菅原孝標女の手になるとされる物語である。
11世紀半ば頃に成立。
「御津(みつ)の浜松」の異名がある。
『源氏物語』の影響を受けて生み出された平安時代後期の物語文学として位置付けられる。
全六巻であるが、現存するのは、首巻を欠く全五巻。
内容
主人公である浜松中納言と継父左大将の娘、大姫との悲恋、そして夢告で亡父が唐土の皇子に転生したと知り、彼を求めて渡唐し、かの地で出会った后との恋と別れ、といった様々な女性たちとのめぐりあいを主題としている。
夢のお告げや輪廻転生を軸とした超常的な恋物語である。
影響
晩年の三島由紀夫が本物語に強く惹かれて、輪廻転生をテーマとした『豊饒の海』を残している。