冷泉帝 (Emperor Reizei)
冷泉帝/冷泉院(れいぜいてい・れいぜいのみかど/れいぜいいん)は、『源氏物語』に登場する三番目の天皇(在位:「澪標」~「若菜 (源氏物語)下」。治世18年間は光源氏の全盛期であった)。
架空の人物。
五十四帖中「紅葉賀」から「橋姫 (源氏物語)」まで登場。
桐壺帝の第十皇子ということになっているが、実は光源氏と藤壺の不義の子。
朱雀帝の東宮となり、11歳で即位。
今上帝 (源氏物語)に譲位するまで18年、世を治めた。
譲位後は冷泉院(実在した歴代の上皇の御所)に住まったことから「冷泉帝」の通称で呼ばれる。
母藤壺の崩御後に夜居の僧から出生の秘密を知らされ驚愕。
源氏を父でありながら臣下としておくことに悩んだが、源氏に帝位を譲ろうとして強く固辞される。
その後は源氏の養女秋好中宮を立后させ、また源氏40歳の御賀に准太上天皇位を贈るなどして、影ながら孝養を尽くそうとした。
風流心豊かな人物で、特に絵画を好み(これは実父源氏の血を受けたものとされる)、このことが秋好中宮を寵愛するきっかけとなった。
また源氏のもう一人の養女玉鬘 (源氏物語)にも執心した。
彼女が内侍司として出仕する直前に髭黒の妻となったことを惜しんで、譲位後に玉鬘の娘を妃に迎え寵愛した(「竹河」)。
なお源氏没後、遺言により遺児薫を子のない秋好中宮と共に寵遇しているが(「匂宮」)、薫の出生の秘密は知らない(よって薫が異母弟だと誤解していると思われる)。
后妃
秋好中宮(別名:梅壺女御、斎宮女御)…桐壺帝の前東宮の娘、母は六条御息所。
朱雀帝時代の斎宮。
局は凝花舎。
弘徽殿女御…頭中将の娘、母は桐壺帝の右大臣の四の君。
柏木、紅梅_(源氏物語)とは同腹。
女一宮の母。
王女御…兵部卿宮の娘。
紫の上の異母姉妹。
局は承香殿。
左大臣の女御、中納言女、宰相女…「真木柱」のみに登場。
大君(院の女御、御息所)…髭黒の次女、母は玉鬘 (源氏物語)。
「竹河」のみに登場。
冷泉帝退位後に参入、二子を産む。
皇子女
第一皇子…大君腹。
「竹河」で誕生。
第一皇女…弘徽殿女御腹。
第二皇女…大君腹。
「竹河」で誕生。