古今和歌集仮名序 (Preface to A Collection of Ancient and Modern Japanese Poetry)
古今和歌集仮名序(こきんわかしゅうかなじょ)は古今和歌集の序文である。
仮名 (文字)で書かれていることから「仮名序」と呼ばれている。
執筆者は紀貫之であり、初めて本格的に和歌を論じた歌論である。
また歌学のさきがけとしても知られる。
構成
仮名序は、冒頭で和歌の本質とは何かを解き明かした後、和歌の成り立ちについて述べ、次いで、和歌を6分類し各分類について説明する。
そして、和歌のあるべき姿を論じ、その理想像として2人の歌聖(柿本人麻呂と山部赤人)を挙げ、次に近代の高名な6人の歌人(六歌仙)を挙げる。
最後に古今集の撰集過程について触れた後、和歌の将来像を述べて終わる。
冒頭文
やまとうたは、人のこころをたねとして、万の言の葉とぞなれりける。
世の中にある人、事・業しげきものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひいだせるなり。
花に鳴く鶯、水に住むかはづの声を聞けば、生きとし生きるもの、いづれか歌をよまざりける。
力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をもなぐさむるは、歌なり。