宇治十帖 (Uji Jujo)
宇治十帖(うじじゅうじょう)とは、源氏物語の最末尾にあたる第3部の後半である。
橋姫 (源氏物語)から夢浮橋までの十帖をいう。
概要
この部分は宇治市を主要な舞台としている。
源氏物語の他の部分と異なる点が多いことから他の部分とは分けて考えられる事が多い。
『白造紙』、『紫明抄』あるいは『花鳥余情』といった古い時代の文献にもこの部分の巻数だけを「宇治一」、「宇治二」というようにそれ以外の巻とは別立てで数えているものがある。
こうしたことから、この部分を分けるやり方は古くから存在したと見られる。
また正嘉本源氏物語古系図のように源氏物語54帖のうち並びの巻を除いた37帖のうち宇治十帖全体を「宇治」1帖として数え、源氏物語全体を28帖であるとしているものもある。
この部分については一条兼良の『花鳥余情』、一条冬良の『世諺問答』などが紫式部の娘である大弐三位が作者であるとしている。
古くから紫式部が作者ではないとする見解も多い。
計量分析においてもの安本美典による論文で紫式部が作者である可能性が低いとされたのをはじめ研究がなされている。
宇治十帖の各帖
大きく橋姫から早蕨までの「大君・中の君物語」と宿木から夢浮橋までの「浮舟物語」とに分けられることがある。
橋姫 (源氏物語)
椎本
総角 (源氏物語)
早蕨
宿木
東屋
浮舟 (源氏物語)
蜻蛉_(源氏物語)
手習
夢浮橋