山路の露 (Yamaji no Tsuyu)
山路の露(やまじのつゆ)とは、『源氏物語』の補作の一つである。
現在まとまって残っている『源氏物語』の補作の中では最も古いものであり、『雲隠六帖』と並んで著名なものである。
そのため、江戸時代までの刊本の中には絵入源氏物語のように紫式部が書いた『源氏物語』本編と同等の扱いでセットになって収録されているものもある。
その他続群書類従にも入れられている。
紫式部が書いたものでないことは明らかなため偽書・偽作とは言えないが、それに近い存在として偽書・偽作研究で取り上げられることは多い。
成立
成立時期や作者は未詳であるが、成立時期については以後~応永以前の間に成立したとの説がある。
作者については『源氏釈』の著者である藤原伊行の娘建礼門院右京大夫作との説もある。
梗概書である『源氏小鏡』に以下のようにある。
「その後山ちの露といふ物つくりて、たづねあひて対面し給へりと作りて侍り。」
「それは五十四帖の外なれば、是にはなし」
内容
薫と浮舟の再会等を描く宇治十帖の主人公である薫の後日談である。
『源氏物語』の最終巻である「夢浮橋」巻の続編に位置づけられる。