旧唐書 (Old Book of Tang)

『旧唐書』(くとうじょ)は、中国五代十国時代の後晋石重貴の時に劉クらによって編纂された歴史書。
二十四史の一つ。
唐の成立(618年)から滅亡まで(907年)について書かれている。
当初の呼び名は単に『唐書』だったが、『新唐書』が編纂されてから『旧唐書』と呼ばれるようになった。

成立は945年だが、その翌年には後晋が滅びてしまう。
そのため、編纂責任者が途中で交代するなどして、一人の人物に二つの伝を立ててしまったり、初唐に情報量が偏り、晩唐は記述が薄いなど編修に多くの問題があった。
そのため後世の評判は悪く、北宋時代に『新唐書』が再編纂されることになった。
しかし逆に生の資料をそのまま書き写したりしているので資料的価値は『新唐書』よりも高いと言われている。

旧唐書の中には日本について「倭国伝」と「日本国伝」の二つが立てられているのも編纂過程の影響であると考えられている。
宋 (王朝)代初頭の『太平御覧』にもそのまま二つの国である旨が引き継がれてしまっている。
ただし、「倭国伝」と「日本国伝」の間の倭国(日本)関連記事の中絶には白村江の戦い及び壬申の乱が含まれている。
大庭脩はこれを単なる編纂過程のミスではないとする。
当時の中国側に壬申の乱をもって「倭国(天智天皇)」が倒されて「日本国(天武天皇)」が成立したという見解が存在していた。
結論が出されないままに記述された可能性があると指摘している。
また、「東夷伝」には次のようにある。
「日本国者倭国之別種也。」
「以其国在日辺、故以日本為名。」
「或曰、倭国自悪其名不雅、改為日本。」
「或云、日本舊小国、併倭国之地」。
一般的となっている見解も載せられている。

構成
「本紀」20巻、「列伝」150巻、「志」30巻の計200巻から成る。
紀伝体の書である。

[English Translation]