桐壺帝 (Emperor Kiritsubo)
桐壺帝/桐壺院(きりつぼてい・きりつぼのみかど/きりつぼいん)は、『源氏物語』に登場する一番目の帝(在位「桐壺」~「花宴」)。
架空の人物。
大宮と同腹。
桐壺更衣を寵愛したため、「桐壺帝」と呼ばれる。
『源氏物語』の主人公光源氏の父親である。
他の有力な妃を差し置いて桐壺更衣を偏愛し、やがて源氏が誕生するが、更衣はその心労が祟って病死する。
悲しみに暮れる桐壺帝を見かねた周囲のすすめにより、亡き桐壺更衣に瓜二つである藤壺(先帝の第四皇女)を入内させて寵愛し、第十皇子(後の冷泉帝)を産んだのを機に中宮に据えた。
なお冷泉帝は、実は光源氏と藤壺との不義の子であるが、桐壺帝がそのことを知っていたかどうかは作中では語られない。
「賢木」で病が重くなり、源氏23歳の年に崩御。
「明石」で亡霊として現れ、源氏の苦難を救う。
理想的帝王。
聖代とされる醍醐天皇の時代がモデルとされる。
后妃
弘徽殿女御(弘徽殿太后)…右大臣の娘。
東宮(後の朱雀帝)の母。
桐壺更衣…按察大納言の娘。
淑景舎に住まい、桐壺帝の寵愛を受ける。
光源氏の母。
藤壺…先帝の四宮(第四皇女)。
桐壺更衣亡き後、入内。
冷泉帝の母。
麗景殿女御…花散里の姉。
帝崩御後、姉妹共に光源氏の庇護を受ける。
承香殿女御…四の宮の母。
「紅葉賀」に名が見える。
女御…宇治八の宮の母。
大臣の娘。
後涼殿更衣…「桐壺」に名が見える。
桐壺更衣のために局を移された。
皇子女
第一皇子…朱雀帝
第二皇子…光源氏
第四皇子…四の宮。
「紅葉賀」に名が見える。
第八皇子…宇治八の宮。
東宮時代の冷泉帝を廃しようとする陰謀に巻き込まれ隠棲。
宇治十帖にのみ登場する。
宇治の大君、中君、浮舟 の父。
第十皇子…冷泉帝(実の父は光源氏)
第?皇子…蛍兵部卿宮。
光源氏の養女玉鬘に思いを寄せる。
女三宮の婿候補にも挙がる。
「絵合」「梅枝」では判者を務めるなど、風流人。
第?皇子…帥宮(蛍兵部卿宮とは別人)。
「蛍」に名が見える。
第?皇子…蜻蛉式部卿宮。
「蜻蛉」に名が見える。
第一皇女…女一宮。
一品宮。
母・弘徽殿女御。
第三皇女…女三宮。
斎院。
母・弘徽殿女御。
兄弟
前坊…前の東宮。
桐壺帝と同腹。
妃は六条御息所。
桃園式部卿宮…朝顔 の父。
大宮…女三の宮。
桐壺帝と同腹。
女五の宮…朝顔の姫君と同居。