花園天皇宸記 (Hanazono Tenno Shinki (The Records of Emperor Hanazono))
花園天皇宸記(はなぞのてんのうしんき)は、花園天皇の日記。
延慶 (日本)3年(1310年)10月から正慶元年/元弘2年(1332年)11月にわたる23年間から成る日記。
鎌倉時代後期の貴重な史料。
花園天皇自身はこの日記を『等閑記』と称している。
『花園天皇日記』『花園院宸記』など別称が多いが、『国書総目録』(岩波書店刊)では“はなぞのいんしんき”の項にまとめて記載がある。
翻刻には3点あり、刊行順に『列聖全集』(列聖全集編纂会,1915-1917、底本は旧家秘蔵本)、『史料大成続編』33,34(内外書籍,1938、底本は概ね『列聖全集』)、『史料纂集』62,66,80(続群書類従完成会,1982-1986、底本は宮内庁書陵部本)である。
なお、1965年に臨川書店より刊行された『増補史料大成』(ここでは2,3巻)は『史料大成』の復刻版の意味合いが強い。
現存部分のほとんどが花園天皇宸翰である。
また、特に正中の変・元弘の変などに関する記事が豊富かつ詳細であるため、後醍醐天皇の活動状況を研究する上での基本史料となっている。