長歌 (Choka (long epic song))

長歌(ちょうか)は、和歌の形式の一つ。

五七、五七、…、五七、七の形式。
五七を三回以上繰り返し、最後を七音を加える。
万葉集に多く見えるが、古今和歌集の時点ではすでに作られなくなっている。
主に公の場でうたわれるもので、反歌を伴う。

長歌の歴史
長歌の始まりは古代の歌謡にあると見られる。
「日本書紀」や「古事記」の中に多くみられ、五音と七音の句を3回以上繰り返した形式のものが多かった。
それが次第に五・七音の最後に七音を加えて結ぶ形式に定型化していった。

「万葉集」の時代になると、長歌の後にそれを要約する形で、短歌形式(五七五七七)の反歌を付け加えることが多くなった。

平安時代に入り、古今和歌集が編纂される頃になると、和歌といえば短歌のことをさすようになり、長歌は衰退した。

ところが江戸時代になると、国学において万葉集研究が重きをなしたことにともない、再び詠まれるようになった。

太平洋戦争の終戦後に、窪田空穂がシベリアに抑留された次男の死を悼んで詠んだ、長歌史上最長の長歌「捕虜の死」は名高い。

長歌の例
天地の別れし時ゆ神さびて、高く貴き駿河なる、富士の高嶺を天の原、振り放け見れば渡る日の、影も隠らひ照る月の、光も見えず白雲も、い行きはばかり時じくぞ、雪は降りける語り継ぎ、言ひ継ぎ行かむ富士の高嶺は(万葉集317、山部赤人)

[English Translation]