防人歌 (Sakimori-no-uta (Poetry of the Sakimori Guards))

防人歌(さきもりのうた)とは大化の改新の後、九州沿岸の守りについた防人が詠んだ歌である。

詠まれた状況

防人とは厳しい任務であり、遠い東国から九州までは自力で移動せねばならず、さらにその任務期間中の兵は食糧も武器も各自で調達しなければならない。
また、税の免除も行われなかったため極限の状態であった。
その様な状況で作られた歌が防人歌である。

万葉集

万葉集には防人歌が収録されている。
巻13、14にも含まれているが、巻20には最も多く含まれている。


わが妻は いたく恋ひらし 飲む水に 影さへ見えて 世に忘られず
(現代語訳) 私の妻はとても恋しがっているようだ。
飲もうとする水に影までもみえていて、決して忘れられない。

韓衣 裾に取りつき 泣く子らを 置きてそ来ぬや 母なしにして
(現代語訳)韓衣にすがって泣きつく子どもたちを(防人に出るため)置いてきてしまったなあ、母もいないのに

[English Translation]