健磐龍命 (TAKEIWATATSU no Mikoto)

健磐龍命(たけいわたつのみこと)とは、日本神話に登場する人物で、阿蘇神社の主祭神である。
神武天皇の子である神八井命の子として皇統に組み込まれているが、元々は阿蘇で信仰されていた阿蘇山の神 (神道)とみられる。

伝説

祖父である神武天皇の命をうけ、阿蘇山へ来た健磐龍命は、外輪山の上から目の前に広がる湖を眺めた。
広大さに感心して、水をなくして田畑を造ろう、と考えた。
そこで、外輪山の一部を蹴破ろうとしたが、一度目に挑戦したところはなかなか蹴破れなかった。
それは、山が二重になっていているからで、以後、その場所は「二重(ふたえ)の峠」と呼ばれるようになった。
別の場所で挑戦したら、今度は見事に蹴破ることに成功したが、そのはずみで健磐龍はしりもちをついてしまい、「立てぬ」と叫ぶようになった。
以後、その場所は「立野」と呼ばれるようになった。
また、蹴破ったところからは、湖水が一気に西の方に流れ出て、数匹の鹿が流されてしまったことから、以後「数鹿流(すがる)が滝」と呼ばれるようになった。
湖水が引くと、底から巨大なナマズが現れ、湖水をせき止めていたので、健磐龍は刀でナマズを切り、ようやく湖水は流れていった。

[English Translation]