文博士 (FUMI no Hakase)

文博士(ふみのはかせ、生没年不詳)は、飛鳥時代の人物である。
姓は忌寸で、文氏(書氏)は渡来系の氏族である。
名は博勢とも記す。
公務を帯びて2度、南島に使いした。

持統天皇9年(695年)3月23日に、務広弐文忌寸博勢、進広参下訳語諸田らを多禰(種子島)に遣わして南方を探索させたことが、『日本書紀』にある。

文武天皇3年(699年)4月13日に、務広弐文忌寸博士ら8人が、南島に国を求めて派遣されたことが、『続日本紀』にある。
一行は武器を受領して赴いた。
同年7月19日に南島の多褹、夜久、菴味、度感の人が朝宰に従って来て物を貢いだ。
それぞれ種子島、屋久島、奄美大島、トカラ列島(徳之島との説もある)とされる。
特に度感はこのときはじめて来朝した。
朝宰はこのときの一行の誰かにあたると思われるが、その中に文博士はいなかったらしい。
博士は11月4日に刑部真木とともに帰り、位を進められた。

[English Translation]