犬上御田鍬 (INUGAMI no Mitasuki)

犬上 御田鍬(いぬがみ の みたすき、生没年不詳)は、飛鳥時代の人物。
外交官。

犬上氏は日本武尊(やまとたけるのみこと)の子稲依別王の後裔と記紀に記載される近江国犬上郡を拠点とする豪族で、附近に渡来人集団が多く、犬上氏自身も天日槍等の渡来人の系譜であるとの見解もあるほど中国大陸や朝鮮半島の文化に親しい一族である。

614年(推古天皇22年)第5回、最後の遣隋使として矢田部造らとともに隋に渡り、翌615年(推古天皇23年)に百済使を伴い帰国した。
618年(推古天皇26年)に隋が滅び唐が興ると、舒明天皇は630年(舒明天皇2年)、薬師恵日の進言により遣唐使を送ることとし、御田鍬が大使となった。
第1回遣唐使は2年間唐に滞在し、632年(舒明天皇4年)に唐使の高表仁を伴い、学問僧旻らとともに帰国した。
これにより、唐との国交が結ばれたことになる。

なお、遣唐使として使用された、犬上御田鍬のものとされる世界最古の旅券(パスポート)が滋賀県内に現存している。

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