貝賀友信 (KAIGA Tomonobu)
貝賀 友信（かいが とものぶ （弥左衛門 やざえもん）、慶安3年（1650年） - 元禄16年2月4日 (旧暦)（1703年3月20日））は、赤穂四十七士の一人。
父は吉田之貫。
母は貝賀左門女。
養父は貝賀新兵衛。
吉田忠左衛門の実弟。
本姓は藤原氏。
家紋は重ね扇。
生涯
赤穂藩浅野家家臣吉田助兵衛の二男として誕生。
庶子であるため、寛文元年（1661年）頃に母の弟である貝賀新兵衛（同じく浅野家中）の養子となる。
赤穂藩では中小姓・蔵奉行、2石10両3人扶持。
妻はいなかったが、妾が一人おり、その間に一女（貝賀百）を儲けている。
妾と娘と三人で赤穂で暮らしていたが、元禄14年（1701年）3月14日、主君浅野長矩が江戸城松之大廊下で吉良義央に刃傷に及んだ。
浅野内匠頭は切腹、赤穂藩は改易となった。
城内論争においては弥左衛門は家老大石良雄派として行動し、誓紙血判の義盟にも加わる。
赤穂城落去後は、浅野家お出入り商人だった京都高倉通り綿屋善右衛門邸に身を寄せた。
元禄15年（1702年）7月18日、江戸幕府は閉門中だった内匠頭の弟浅野長広の広島市広島藩への永預けを決定し、浅野家再興は絶望的となった。
江戸の吉田忠左衛門は、京都市にいた弥左衛門へ飛札でこれを知らせ、これを受けた弥左衛門が山科区の大石内蔵助へ報告した。
7月28日、大石内蔵助は京都円山に同志を集めて、吉良上野介への仇討ちを決定した（円山会議）。
義盟には約120名の元赤穂藩士が加わっていた。
大石内蔵助は同志の真意を探るために血判状の返却を命じる。
その使者となったのが弥左衛門と大高源五であった。
血判状の返還に際して、弥左衛門と源五は、浅野家再興が絶望的となったこと内蔵助は腰抜けであてにならないと伝えて相手の反応を見た。
それでも血判状の返還を拒む者に対して仇討ちの真意を伝えた。
大石内蔵助の一族である進藤源四郎、小山源五左衛門、大石孫四郎ら70名以上が脱落した（神文返し）。
江戸下向後は町人喜八郎として八丁堀湊町の片岡源五右衛門借家に入った。
元禄15年（1702年）12月14日の元禄赤穂事件では弥左衛門は表門隊に属し、門の警戒にあたった。
討ち入り後は松平定直の屋敷へお預けとなる。
元禄16年（1703年）2月4日、松平家家臣大島半平の介錯で切腹して果てた。
享年54。
主君浅野長矩と同じ高輪泉岳寺に葬られた。
戒名は刃電石劔信士（にんでんせきけんしんし）。