野村四郎 (NOMURA Shiro)

野村 四郎のむら しろう、1936年 -)は、現代の観世流シテ方能楽師。
東京芸術大学名誉教授。
(社)日本能楽会会長。
(社)観世会監事。
(社)銕仙会理事。

経歴

東京にて和泉流狂言方六世野村万蔵の四男に出生。
兄弟が狂言師となる中でひとり能役者に進むべく、1952年、二十五世観世元正に内弟子入門、観世寿夫に師事。

1955年に初シテ『俊成忠度』を演じ、1962年に独立。
これより観世流シテ方として活躍し、能楽界の重鎮となる。

ヨーロッパ、アメリカ、インド等で能楽を公演して世界各地への普及に貢献。
観世流職分として能楽界の後進を育成、東京藝術大学音楽学部教授として能楽研究と教育、ワシントン大学やハワイ大学等で能楽指導にあたる。

古典の秘曲、大曲あるいは復曲能のかずかずを上演する。
とともに、新作能の作曲・作舞・上演、異分野の邦楽や洋楽との共演、他流との共演など、新しい試みにも積極的に取り組む。
2006年に日本芸術院賞を受賞。

年表
1955年 初シテ『俊成忠度』
1962年 独立、これより観世流シテ方として活躍
1978年 重要無形文化財総合指定の日本能楽会会員
1987年 野村四郎の会『求塚』で文化庁芸術祭優秀賞
1994年 芸術選奨文部大臣賞
1998年 紫綬褒章
2003年 第25回観世寿夫記念法政大学能楽賞
2006年 2005年度(第62回)日本芸術院賞ー近年の舞台活動に対して

主な舞台
能の古典の秘曲、大曲あるいは復曲能
『猩々乱』『石橋』『道成寺』『恋重荷』『砧』『屋島大事』『鷺』『卒塔婆小町』『鸚鵡小町』

『三輪 誓納』『檜垣』『姥捨』『芭蕉 平調返』『木曾 願書』ほか
新作能
『実朝』(原作:高浜虚子)、『水底の感』(原作:夏目漱石)
異分野の邦楽との共演
『熊野の物語』『相聞』『竹取物語』『賢治宇宙曼荼羅』『スサノヲ』

『謡かたり隅田川』(「謡かたり三人の会」豊竹咲大夫・村尚也と結成)

『葵上』(山田流筝曲による) ほか
他流との共演
『隅田川』(宝生流と)ほか
オペラ演出と出演
『浦島』(坪内逍遥原作)、『オルフェーオ』(モンテヴェルディ作)

著作
『能を彩る文様の世界』野村 四郎・北村 哲郎 (檜書店・1997/12) ISBN 4827909458

野村家の人々
長男の野村昌司は観世流シテ方能楽師。
和泉流狂言方の野村萬、野村万作、野村万之介は兄弟、二世野村萬斎、九世野村万蔵、二世野村万禄は甥にあたる。

[English Translation]