難波頼経 (NANBA Yoritsune)
難波 頼経（なんば よりつね、生年未詳 - 建保4年（1217年））は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての廷臣。
刑部卿難波頼輔の長男。
従四位下、豊後守、刑部卿。
子に難波宗長、飛鳥井雅経らがある。
仁安 (日本)から治承年間にかけて、壱岐国・豊後国の国司となる。
豊後守在任時においては、知行国主であった父頼輔の命を受けて同国に下向した。
そして在地豪族の統制に当たった。
寿永2年（1183年）に平家が都落ちすると、豊後国人緒方惟栄らに対し、院宣に従い平家を追討するよう指示。
これを受け惟栄は反平家活動を活発化させ、遂にその勢力を大宰府から駆逐するに至っている。
平家滅亡後は源義経の有力な同盟者となり、惟栄ら豊後国人の勢力を義経方に取り込むための活動にまい進。
惟栄が宇佐神宮を焼き討ちした罪を軽減されたのも、彼や義経の工作によるものと言われる。
同時に高階泰経ら後白河院近臣勢力とも結び、義経追討を打ち出す鎌倉幕府に対抗する。
こうした頼経の姿勢は幕府による追及を免れなかった。
文治元年（1185年）12月、任官後間もない刑部卿を解官された。
その上で安房国に流罪となる。
翌年3月に一旦赦免されて帰京する。
しかし、なおも義経支援の姿勢を改めなかったため、文治5年（1189年）3月に再度伊豆国へと配流されている（なおこの際、長男の宗長も同時に解官されている）。
長男宗長の子孫は難波家、次男雅経の子孫は飛鳥井家として後世に続き、蹴鞠・和歌の道において重きをなしている。