中院通躬 (NAKANOIN Michimi)
中院 通躬（なかのいん みちみ、寛文8年5月12日 (旧暦)（1668年6月21日） - 元文4年12月3日 (旧暦)（1740年1月1日））は江戸時代中期の公卿、歌人。
中院家（家格は大臣家、村上源氏）当主。
略歴
寛文8年（1668年）中院通茂（大納言、のち内大臣）の長男として生まれる。
幼名は益丸。
翌年叙爵、延宝元年（1673年）従五位上に進む。
延宝8年（1680年）に元服、従四位下に進んだ。
その後、近衛府・近衛府を経て、元禄元年（1688年）に参議となる。
同5年（1672年）に中納言。
翌年には正三位に進み踏歌外弁となる。
同13年（1700年）には東山天皇の勅により、霊元天皇第十皇子の沢宮性応法親王家別当となる。
父通茂から歌学を受け継ぎ、父とともに霊元院歌壇で重きをなした。
正徳5年（1715年）には播磨国印南郡（現在の高砂市）にある菅原道真を祀る曽根天満宮に和歌を集めて奉納している。
歌道の弟子に烏丸光栄など。
また父とともに漢学を熊沢蕃山に学んだ（父の通茂は蕃山門下の堂上四天王とも称された）。
その他清凉寺供養伝奏、伊勢神宮伝奏などに歴任した。
享保3年（1718年）武家伝奏、同11年（1726年）には内大臣に任ぜられ、さらに翌々年には従一位に昇る。
元文3年（1738年）には異例の右大臣に任ぜられるが、辞している。
大臣家の極官は内大臣であり、近世において右大臣任官の例は三条西実条と通躬のみである。
翌年征夷大将軍徳川吉宗が公家の家業奨励の意味で、公家衆から和歌の名人を選抜し名所和歌の詠進を所望した際も、関白一条兼香から推薦され提出している。
この年12月に薨去。
享年72。
喜光院と諡られる。
家族
父は中院通茂（内大臣）。
母は下総国関宿藩主小笠原政信の娘である。
実弟には野宮定基、久世通夏がいる。
正室は飛鳥井雅章の娘。
子の中院通藤（1710年 - 1715年）はわずか6歳にして夭折。
そのため弟の久世通夏の子を養嗣子（中院通枝）とする。
娘には清閑寺治房（大納言）正室、鍋島宗教（肥前国佐賀藩主）正室、溝口重元（越後国新発田藩主）正室などがいる。
官職位階履歴